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6月1日はねじの日

ねじの日





タッピンねじ④

タッピンねじ④ 

ねじ込みトルクの軽減化

タップタイト

タップタイトは、ねじの断面が等直径の三角形(おむすび形)をしている、非円形ねじの代表的なもので、
米国コンチネンタルスクリュー社により開発された製品。
1970年4月にIFI(アメリカねじ工業協会)で、1970年8月には、MS(軍用規格)に高性能THREAD ROLLING
SCREW として規格化されている。


        お結び




                 タップタイト


詳細は タップタイトを参照下さい

タッピンねじ③

タッピンねじ③ 

ねじ込みトルクの軽減化
ねじ込みトルク線図に示すように、相手材にメネジを立てるに必要な力(トルク)をねじ込みトルク(Driving Torque
略してDT)と言いますが、
その力を軽減させるのに、ねじの先端部分にいろんな細工を行います。

(軽減することにより、生産性の向上、疲れが減少します)

(株)ヤマシナが開発した製品
   エバタイト

        エバー断面

      ねじの先端部が上図のように
      ねじ部の先端から3条の溝を設け、軽快なねじ込みに最も理想的な3点接触と
      独特の一方通行形を備え、相手材を軽く塑性変形しつつめねじを成形して
      ねじ込むことが出来る。


        エバータイト

      詳細は  エバタイト を参照下さい 

タッピンねじ②

タッピンねじ②

タッピンねじを相手材に締め付ける際に

START

             ねじ込み開始図
            矢印
             締付け図  
締付図
 


ねじ込み開始図の状態から相手材にタップを立てながら、締付け図の状態になり締結されます。

その過程において、開始時にタップを立てるのに大きな力(トルク)が必要になります。
その力(トルク)が下図"ねじ込みトルク線図"に示す、ねじ込みトルク(Driving Torque)の部分です。

ねじ込み線図
                 
ねじ込みトルク線図

更にねじ込みが進み、相手材にタップ立てが完了し、ねじも貫通すると力(トルク)が軽くなります。

更にねじ込むと相手材にねじの頭部が接し、締付けが始まり、急に大きな力(トルク)が必要になります。

更に大きなばか力で締めると相手材のメネジ、オネジが破断します。
その時の最大力(トルク)を締付破断トルク(Stripping Torque)と言います。

タッピンねじ①

タッピンねじ①

タッピンねじとは

小ねじは相手側にタップ穴(めねじ)やナットが使用されます。めねじ加工

めねじの加工は相手側にドリル又はプレスにより下穴を明けて、その後
タップ(Tap)工具を使用してめねじを加工します。
作られた”雌ねじ”、”ナット”に”雄ねじをねじ込み使用します。
このタップ加工を無くし、ねじ自身が直接、ねじ込むと同時に雌ねじを
作るねじが ”タッピンねじ” です。
横文字で書くと ”Self Tapping Screw”


タッピング

上図の工程により、ねじが締付けられて行きます。

タップ工程が省かれます

下穴にねじ自身がタップしている様子
  


タップGo

矢印ねじ込み

タップ全加工

熱処理③

熱処理③

浸炭焼入
めねじを成形したり、下穴を孔けたりするねじとして、タッピンねじ、ドリリングタッピンねじ、
ドリルねじが有り、その目的の為に、ねじ山を硬くする必要が有り、また、ねじとしての機能
(強度、耐摩耗性、耐疲労性、耐衝撃性等)も同時に必要です。
タッピンねじは表面は硬く、内部が軟らかい物を必要とし、内部にあまり焼きの入らない低炭
素鋼のSWCH12A~SWCH22Aを用い、焼入を施すことにより表面を硬化させる目的で
行います。


浸炭焼入(表面硬化)の種類
(1)固体浸炭(品質のバラツキが大)
(2)液体浸炭(正確だが少量向、使用する青酸カリ、ソーダが猛毒)
(3)ガス浸炭(正確で量産向)
(4)浸炭窒化
などが上げられ、その他に表面硬化として窒化処理等いろいろ有ります。
タッピンねじ等では安価なガス浸炭が最も多く使用されています。

ガス浸炭炉

ガス浸炭焼入の装置としては、調質焼入と同じですが、加熱炉内において、浸炭雰囲気の
ゾーンを作り、その雰囲気内を通過する時にねじに浸炭作用が行われるしくみです。
同時に加熱炉において、ねじが設定温度に加熱され焼入槽にて焼入れられ、硬さが供わり
ます。

更に、機械的性質を整える為に、戻し炉にて焼戻しが行われます。
焼戻温度は高硬度が必要な場合は250゚C前後、一般的には350~400゚C前後が使用さ
れるが、焼戻しによる脆性温度に特に注意する必要が有ります。


浸炭温度

熱処理②

熱処理②

調質焼入れ  (焼入れと焼戻しの組み合わせ)

ねじを大量に省人的に生産するには下図のようなベルト(メッシュ状)式の連続炉にて
処理します。

メッシュ連続炉

製品は右の投入機(投入)からベルト、コンベア等により加熱炉、焼入槽、戻し炉を経て
排出で目的の熱処理が完了します。
焼入槽には、焼入油、水溶性の焼入液が入れられ、槽内は常に攪拌され、温度が保たれ
ています。
通常の熱処理での加工時間は、加熱炉が約90分、焼入槽が約10分、戻し炉が約60分
の合計約160分程度にて熱処理が完了します。


調質温度


焼戻温度は ねじの材質、求める硬さ(引張強さ)により決定されます。
例えば、ねじの材質がSWCH45Kで、求める強度10.9で硬さがHRC32~39の場合
焼戻温度約480゚Cに設定され、強度8.8で硬さがHRC22~32の場合は約580゚C
に設定されますが、焼戻温度によっては脆性が生じる事があるので注意が必要です。
この例のように、焼戻温度が高くなると硬さは低くなり、求める硬さは焼戻温度により変化します。

熱処理①

熱処理①

ねじの熱処理は目的によりいくつかの種類の処理がされます。
その目的として、

 (1)強さ(強度)が必要
 (2)硬さ(表面硬さ: 耐摩耗性、硬く、軟らかく)が必要
 (3)粘さ(靭性)が必要
 (4)水素除去処理


ねじ類に行う主な熱処理
 (1)焼入(硬さ、強さを得る為の熱処理)
 (2)焼戻し(靭性、伸び、強度を得る為の熱処理)
 (3)浸炭焼入(表面硬さを得る熱処理)
 (4)光輝焼入(表面美化: 真空焼入)
 (5)焼なまし[焼鈍](軟化: 加工しやすい状態にする熱処理) 
 (6)焼ならし[焼準](前加工により硬化したものを標準状態に)
 (7)ベーキング(表面処理時の残留水素の除去)

              火
特にねじの熱処理として代表的なものは
 調質焼入  硬さ、強さを求め、焼入れと焼戻しを組み合わせた熱処理
  焼入れにより硬くはなるが、靭性がないので製品として使用
  できなく、焼戻しにより靭性をもたせます。

 
 浸炭焼入 表面硬さを求め、浸炭焼入と焼戻しを組み合わせた熱処理
  浸炭焼入はタッピンねじ、ドリルねじ等、ねじ使用時に相手材にめねじ
  や下穴加工を行うので相手材に打勝つだけの表面硬さが必要な為に
  行う。

          タッピンねじ

 熱処理とは、簡単に言えば 鉄を加熱(赤らめて)して、冷やすことです。
 その加熱温度、時間、冷やす方法、雰囲気などでいろんな種類に分れ
 ますし、その性質、性格も変わってきます。

ねじ用材料⑩

ねじ用材料⑩

非鉄金属

アルミニウム
アルミニウムの最も大きな特徴は軽いこと(鉄の約1/3)で、軽量化時代
の主役的な材料と言えます。
その他に錆びにくい、電導性、熱伝導性に優れていることが上げられます。

アルミ成分
純アルミニウムでは強度は低いが、圧延や引抜き加工、合金化や熱処理
(時効処理:表の※印は熱処理が可能) によって鉄に匹敵する強度が得
られます。

耐食性の向上や装飾性の観点から表面処理として陽極酸化処理(アルマイト
)が施されます。

陽極酸化(アルマイト)

ねじ用材料⑨

ねじ用材料⑨

非鉄金属

非鉄金属で主としてねじに使われているのが、銅合金の黄銅(真鍮)、銅、
アルミニウムなどです。


  黄銅(真鍮)  
黄銅は銅と亜鉛の合金で真鍮とも呼ばれ、一般的にねじ用材料に使われて
いるのは銅(CU)が63~67%、残りが亜鉛(Zn)で、合金番号が"C2700"のもの
が最も多く使用されています。
 合金番号の一桁目は、銅及び銅合金を表すC(Copper)です。
(一部にC2600が使用される場合があります。)

銅合金

  
銅は酸素を0.02~0.05%を含み、99.9%以上の純銅で番号C1100
タフピッチ(Tough-Pitch)銅がねじ類に最も多く使われます。
一部には、高級な材料として銅が99.95%以上の無酸素銅(C1020)が使わ
れます。
無酸素銅は抵抗や歪が少なく、特殊な用途に使用されますが、一般の用途に
対してはタフピッチ銅が多く使用されます。


ねじ用材料⑧

ねじ用材料⑧

ステンレス鋼 

フェライト系ステンレス鋼
フェライト系ステンレス鋼でねじ用材料として一般的に多く使用されているのが
クロームが18%含まれていて、”18CR”で呼ばれていた”SUS430”です。


SUS430

”SUS430”の特徴として
ⅰ)焼入れによって硬化しない
ⅱ)磁石につく
ⅲ)ヘッダー、転造の冷間加工性は比較的良い
ⅳ)耐食性はSUS410より優れている


オーステナイト系ステンレス鋼
オーステナイト系ステンレス鋼はクローム(CR)が18%、ニッケル(Ni)が8%含んだも
のを指し、18-8ステンレスと呼ばれていました。
ニッケルが含まれたことにより、格段に耐食性は増すが、高クロームやニッケルが
含まれることから冷間加工性に難が生じてきます。

ねじ用材料として”SUS304”、”SUS305J1”などが使われていましたが、
冷間加工性を良くする開発から、Cu(銅)を添加し成分調整した”SUSXM-7”
がねじ用材料の主流となり、現在最も多く使われています。

それでも、加工形状、加工度により、時には難加工材として立ちはだかり、加工油、
工具の吟味、熱を加えた温間加工などが必要なときが有ります。


”SUSXM-7”の特徴
ⅰ)焼入れにより硬化しないが、冷間加工により硬化させる
ⅱ)磁石につかない(加工度により若干磁性)
ⅲ)ヘッダー、転造の冷間加工性は多少難加工
ⅳ)耐食性は良好

SUSXM-7

ねじ用材料⑦

ねじ用材料⑦ 

ステンレス鋼

ステンレス鋼(Stainless Steel)は Stainless:錆びない、汚れの無いと訳されますが、
錆びないことは無く、錆びにくい鋼といえるでしょう。

ステンレス鋼にはマルテンサイト系フェライト系オーステナイト系の3種類
に分けられます。ねじ用材料としてはその3種類共が使用されますが、特にオーステ
ナイト系では耐食性は良いが、クローム(CR)やニッケル(Ni)の含有量、割合により、
ヘッダー、転造(冷間加工)時の工具寿命の低下、形状による加工品の割れなどによ
り炭素鋼、合金鋼と比べれば更に難加工材と言えます。


ステンレスとは
ステンレス鋼とは錆びにくい鋼と言いましたが、
この錆びにくくする元素は合金鋼のところのでも記載しましたが、耐食性を
向上させる”Cr:クローム ”の働きによるものです。

 鋼に Cr が 12%以上含むものをステンレス鋼 と呼んでいます。
                            (耐食性 : 錆にくさ)

マルテンサイト系ステンレス鋼

マルテンサイト系ステンレス鋼はねじ用材料として多く使用されています。
クロームが13%含まれていて、”13CR”で呼ばれていました”SUS410”です。
クロームが13%でステンレス鋼の中では含有率が低いことから、耐食性はやや
劣ります。


SUS410

”SUS410”の特徴としては
ⅰ)焼入れにより硬化させることが出来る
ⅱ)磁石につく
ⅲ)ヘッダー、転造の冷間加工が容易
ⅳ)耐食性にやや劣る

ねじ用材料⑥

ねじ用材料⑥

合金鋼

鋼に、より高い強さ、硬さ、耐磨耗性、耐食性、耐摩耗性を得るために、
Ni(ニッケル), Cr(クローム), Mn(マンガン), Si(シリコン), Mo(モリブデン),
W(タングステン), Co(コバルト), B(ボロン), V(バナジュウム)
などの合金元素を
1種類もしくは数種類加えたものが合金鋼です。


加える元素の働きは
元素働き
焼入性
合金鋼を使用する利点の多くは焼入性の向上が上げられます。
上表の元素の働きに有りますように、焼入性を向上させる元素が数点あります。
焼の入れ方として、焼入れの硬さ、焼入れの深さが重要で
焼入れの硬さを支配しているのが C量(C%)
焼入れの深さに影響するのが
C,B、Mn、Mo、Cr の順に影響が弱くなります。


ねじ用材料として多く使用されている合金鋼には"クローム・モリブデン鋼"があります。
クローム・モリブデン鋼 (JISG4105)
クロモリ鋼
クローム・モリブデン鋼の中でも、種類"SCM435"がねじの強度区分10.9にて
多用されています。


  注) 強度区分とは ⇒ http://nejisyokunin.blog85.fc2.com/blog-entry-24.html

その他に焼入性を向上させるねじ用材料として多用されているものに "ボロン(B)鋼”
が有ります。
極微量のボロンを添加することにより焼入性が向上し、ボロン鋼は高価な元素の使用を
削減することが出来ます。
  (※ボロン(B)の添加量は0.003%以下で焼入性が良くなり、実際にJIS規格では
    0.0008%以上とされています。)

新製品発表

新製品発表のお知らせ 

 薄板用タッピングねじ 

0.3mmの薄鋼板への締結に対して、格段の真価を発揮する新型タッピングねじ
「シンカ」を開発、新発売を開始しました。


シンカ
               首下4条のねじ形状

薄板ねじ
        0.3mmの薄鋼板にもその真価を発揮する

詳しくは (株)ヤマシナのホームページをご覧下さい
 ⇒(株)ヤマシナ http://kk-yamashina.co.jp  

ねじ用材料⑤

ねじ用材料⑤

冷間圧造用炭素鋼(JISG3507)
Carbon steel for cold heading

線への加工
SWRCH  SWCH(線) への加工
種類の記号の3文字目のRが無くなりSWCH○○□に変わります。

線への加工はROD材を使用して線引き(ROD材をダイスの中を引き抜く)
したり、焼鈍を行ったりして細くして行き線に加工します。


線の受入
伸線メーカにより線に加工された製品は検査成績表が添えられて納入されます。

材料証明
(この検査成績表は画面表示の関係で一部カットしています)

この検査成績表は 線の種類 SWCH12A 線径 2.60φのものです。 
化学成分 C、Si、Mn、......... はSWRCH12Aの成分として合格していますか?
成績表の下段箇所には、線径の公差と測定値、材料の強度を表す機械的性質の引張強さ、絞り 
が記載されています。この部分もJIS規格あるいは伸線メーカとの協定により決められいます。

ねじ用材料④

ねじ用材料④

炭素鋼

  種類の記号
   キルド鋼、リムド鋼の材料種類の記号は次の意味を持っています。
    SWRCH 
      線材
                        Steels for cold heading : Wire rods

  連続鋳造法(連鋳法)
   前回に「製鋼によって溶けた鋼(溶鋼)を鋳型に流し込みインゴット(鋼塊)を造ります。」
   と説明しましたが、現在では殆どが連続鋳造法という製法によって造られています。

   連続鋳造法とは溶けた鋼(溶鋼)を連続的に型に流し込み、鋼中の介在物を除去しつつ、
   溶鋼を凝固させて断面形状が一定の鋼片を連続的に造る方法で、これにより、従来の
   分塊工程を省略、歩留向上によるコストダウンが図れました。
   
   連鋳法により、キルド鋼、リムド鋼の相違が失われつつあります。鋼の殆どが性質的に
   キルド鋼になります。

ねじ用材料③

ねじ用材料③

炭素鋼
  前回に炭素鋼の概要について説明をしましたが、
  炭素鋼のねじ用材料に限って説明しましょう。


 ねじ用材料の製法による違い
  ・溶鉱炉に鉄鉱石とコークス、石灰石などを炉中に入れ、
   炉に熱風(約2000゚C)を吹き込み銑鉄を作ります。
  ・鋼を造るのには、銑鉄、クズ鉄(スクラップ)、鉄鉱石、石灰石
   などと一緒にして製鋼炉(主流は転炉)で溶かします。
  ・製鋼によって溶けた鋼(溶鋼)を鋳型に流し込みインゴット(鋼塊)
   を造ります。この時の脱酸の程度により、キルド鋼、セミキルド
   鋼、リムド鋼の3種類に分けられます。
  
    鋳型

1) キルド鋼(Killed Steel 鎮静鋼) 
   Si(シリコン)やAl(アルミニュウム)で十分脱酸して造られた鋼
   頭部の引けや収縮部は切捨てる為に歩留りは悪いが、品質は
   均一でリムド鋼よりも良く、高級な部材として用いられる。

      (キルド鋼は十分な脱酸を行うことから、酸素やガスが十分に
      抜けて>死んだように静まりかえる)

  a) シリコンキルド鋼 
   シリコン(Si)で脱酸したキルド鋼 
   シリコンキルド鋼
  b)アルミキルド鋼 
   アルミニウム(Al)で脱酸したキルド鋼

  アルミキルド鋼

2) リムド鋼(Rimmed Steel 縁つき鋼)
  フェロマンガン(マンガン鉄)により軽く脱酸した状態。
  脱酸状態が低いため内部にガスを含み、不純物の多い状態で凝固しているため、
  キルド鋼に比べ、内部品質が劣る。

  リムド鋼

ねじ用材料②

ねじ用材料②

 ねじ用材料として使われる金属材料について
 金属材料では、鉄鋼と非鉄に分けられます。
 その鉄鋼の中でも、炭素含有量の違いにより分けられます。

(数値の取り方については諸説いろいろ有ります)

鉄鋼

 ねじの材料としては、鉄鋼の中でもが使用され、
 炭素含有量は 0.10%~0.5%が最も多く使用されます。
   (時には純鉄も電磁用として使用)


 には炭素(C)のほかにシリコン(Si)、マンガン(Mn)、リン(P)、イオウ(S)の
 5元素を含んでいます(炭素鋼)

5元素

 その5元素の働きとしては
元素効能

ねじ用材料①

ねじ用材料①

ねじに使用される材料には主に次の線材が使用されます。
 鉄(鋼)線、ステンレス線、黄銅(真鍮)線、銅線、アルミニウム線、
チタン線、その他 

材料はコイル状に加工され、線材をターンテーブルに載せ回転させて、
線材をヘッダー機に挿入し、機械内で所定の長さに切断されねじに加工
されます。

鉄線 
鉄線

ステンレス線
ステンレス線

黄銅(真鍮)線 
黄銅線

銅線 
銅線

アルミニウム線 
アルミ線

材料(線材)の使用状態 
ヘッダー60%

表面処理⑤

表面処理⑤

その他の表面処理

 陽極酸化処理(アルマイト)

アルミニュウムの表面処理のなかで、最も代表的な処理には
陽極酸化処理(アルマイト)が上げられます。
陽極酸化処理の用途は、サッシ、ビルの内外装、自動車などの車両、
容器、エクステリアなど多様な箇所に使用されています。

機能的には耐食性、耐候性、装飾性、着色を主な目的として加工されます。
       やかん①         やかん②
陽極酸化(アルマイト)の加工原理は
陽極酸化処理
陽極(+)側に加工するアルミニュウム製品を陰極(-)側に鉛板などを使用し
希硫酸やしゅう酸などの溶液中で電気分解をすると、アルミニュウム表面に
酸化皮膜が生成されます。
この皮膜がアルマイト皮膜、陽極酸化皮膜と呼ばれるものです。


この皮膜は処理時間と共に成長し、下図のような多数の微細孔を有する多孔層
(Porous layer)となっています。
(この構造は裸眼程度では見えず、電子顕微鏡などで観察されます)

アルマイト表面構造
この多孔層を利用した加工がいろいろと施されています。

その特徴を利用しての例としてアルマイトのカラー加工が有ります。
着色皮膜
多孔部分に赤、黄色、緑、青などの染料や金属酸化物を孔に吸着させることによる
染色加工

アルマイト

ねじの品質管理⑬(耐食性試験)

 ねじの品質管理⑬  

  耐食性試験 

めっきの性能として最も重要なものに金属が錆びにくいことが上げられます。
その錆発生の状況を調べる試験として耐食性試験があります。
これは一般的に塩水噴霧試験と呼ばれるものです。
試料(ねじ)に塩水を数時間~数日間連続噴霧し、その表面状態を観察し錆の発生する
状況を調べます。
この耐食性はクロメート皮膜の種類、めっきの種類、めっき膜厚、密着性、キズなど
に左右されその内容が変わります。

一つの例として、自動車部品などでそのめっき仕様が
三価クロメート皮膜で 亜鉛めっき膜厚が8μ以上の場合、
塩水噴霧試験にて 白錆発生までの時間が  72時間(3日)以上
             赤錆発生までの時間が 240時間(10日)以上
 
  などと決められている製品が有ります。


SST 240時間経過にて白錆発生例
SST240

SST 480時間経過にて赤錆発生例
   SST480

塩水噴霧試験方法 (Methods of salt spray testing)
JISZ2371
塩水噴霧試験装置などを使用して、中性の塩化ナトリウム溶液を噴霧した雰囲気にて行う。
塩化ナトリウム濃度 5%
装置内雰囲気 温度 35゚C、 湿度 100%  


塩水噴霧試験装置

SST

ねじの品質管理⑫(めっき膜厚)

ねじの品質管理⑫  

   めっき膜厚測定 

表面処理の説明から
めっき膜厚が錆発生に至るまでに重要な役割を果たしていることが
お解かり頂いたでしょうか、
ですから、ねじの品質管理として、めっき膜厚測定が上げられます。
測定方法には、ねじを破壊(溶解、切断)して測定する方法、非破壊によるものが
有り、数種類の測定方法が有ります。それぞれに特徴、一長一短があり、ねじの
形状や簡便、用途、精度などにより選定されます。


(1)顕微鏡断面試験方法  
めっき(試料)の垂直断面を顕微鏡で観察し、めっき厚さ計測の基本的な試験
(多少の熟練が必要、試料作製に時間を要する)
  (写真による記録が残せる)
顕微鏡写真

(2)滴下式(ドロップ式)試験方法
腐食性溶液を試料(ねじ表面)に滴下し、めっきが溶解するに要した時間によりめっき膜
の厚さを求める試験
(精度に問題があり、現在はあまり使用されていない)

(装置は簡単) 滴下試験

3)蛍光X線式試験方法
試料(ねじ)にX線を照射し、発生した蛍光X線量を測定し、めっき厚さを求める試験。  

  蛍光X線装置
(微小部品や測定の厚み・面も広い範囲で選択が可能で利点が多い)

(4)電解式試験方法
試料(ねじ)を陽極とし、測定箇所を小容器で押さえ、めっき剥離液を注入し、定電流で
溶解し、溶解に要した時間からめっき厚を求める試験。

(小物、複雑な形状箇所の測定は不可 : 液の保持が困難)
(JISH8501より) 電解式

その他に 電磁式、渦電流式、β線式などいろいろとあります。
それぞれ特徴があり、その利点を選択し測定します。

表面処理④

表面処理④

錆の発生(亜鉛めっき)
鉄などの金属は大気中、腐食雰囲気中等において腐食し錆が発生します。
それを防止する為に、鉄(ねじ)では亜鉛メッキが多く施されます。
亜鉛メッキでの錆の発生概略について見て行きます。

亜鉛メッキの保護膜であるクロメート被膜にキズ、割れ、劣化等のダメージを
受けると、

Stage 1
ST1
クロメート皮膜には多少の自己修復作用は有りますが、それ以上の
ダメージを受けるとその部分から腐食が始まります。

Stage 2

stage
その腐食により白錆が発生します。
この白錆発生により、鉄自身の錆発生が防止されることになります。
鉄地肌に達するのに亜鉛の膜厚により時間を要し、その間、鉄は腐食
から守られます。(犠牲防食作用)

Stage 3
錆stage3
更に腐食が進み鉄地肌に到達すると、鉄の錆・赤錆が発生し始めます。
Stage 4
stagea
更に進むと局部的に、更に全面へと赤錆に覆われて行きます。
Stage 5
錆stage5

表面処理③

表面処理③ 

 亜鉛めっき 
亜鉛めっきは鉄素地の防錆処理として多く使用されるのは安価で防錆力に
優れていることによります。亜鉛めっき単体では錆やすいので、亜鉛めっき
後にクロメート処理(化成皮膜処理)を施し、このクロメート皮膜により更に
耐食性(防錆力)が増し、装飾としての外観美も備わります。


 亜鉛めっきの構造
              亜鉛構造
 亜鉛
亜鉛めっきの膜厚により
  2μ以上は 等級が 1級
  5μ以上は       2級
  8μ以上は       3級
 13μ以上は       4級 に分けられます。

当然の事ですが、めっきの膜厚が厚い程耐食性はが高く、ねじでは一般的に
2級(5μ以上)~3級(8μ以上)が使用され、耐食性が求められる自動車部品
では3級の膜厚が使用されます。


 クロメート皮膜
効果には、耐食性の向上、外観を美しく、汚れをつきにくくする目的が有ります。
クロメート皮膜には”3価クロム”と”6価クロム”がありますが、6価クロムは環境
負荷物質に指定され、最近では殆ど3価クロムが使用されています。
3価クロムの皮膜厚は0.1~0.15μ程度です。

6価クロムと3価クロムを比較すると、3価クロムはキズが生じた場合の自己修復
機能(自分でそのキズを塞ごうとする働き)が弱い傾向にあります。


  環境負荷物質 ”6価クロム”の有害性は
   発癌性(肺癌、皮膚癌等)
   長期皮膚接触(吹き出物、水ぶくれ等)
   経口摂取(肝臓不全、血液不順)
   接触アレルギー
   

表面処理②

  表面処理②  

表面処理の電気メッキについて、その概略について説明しました。
電気メッキの原理図のよに電気メッキされますが、1本1本メッキ
していたのでは高価で、ねじの使用量からとても非効率極まりません。

メッキ原理

それで電気メッキ原理図の陰極(-)側に籠(バレル)の様なものを設けて、籠の中に
リード線により先端に電極を付け籠を回転させて均一に鍍金をさせます。


バレル装置
       
                     バレル(barrel) : 胴が膨らんだ樽、樽に似た物

この事を装置化し、大量生産化した機械が下図の鍍金装置です。

     鍍金装置

一般的な鍍金装置では、1バレル当り20Kg前後の量が加工されます。
サイズ径が4mmで、長さが12mmのねじでは、約10、000~15、000本のねじが加工されます。

表面処理①

表面処理①
電気メッキ 
ねじは大半が金属で作られていることから、
一般的に行なわれている表面処理(メッキ : 鍍金)が施されています。
この表面処理の目的は次の二つに分けられます。
装飾(外観美)  
防食(防錆)
そのほかに、耐磨耗、導通性等を目的とした特殊なものも有ります。


この表面処理として最も多く利用されているのが電気メッキです。
その原理は、下図に示すように 金属(陽極)側に電流を流すと金属が
溶液中に金属イオンとして溶け出し、マイナス(陰極)側に取り付けた
品物(ねじ)に付着して蓄積され、メッキされて行きます。

              めっき原理
ねじの主なメッキとしては
          亜鉛めっき 
          ニッケルめっき 
          クロムめっき 
          銅めっき
などが上げられます。

一般的にねじに使用されている例を紹介いたします。
  <電気メッキ>
亜鉛メッキ(三価クロメート処理)....................亜鉛メッキ(黒色三価クロメート処理)
ZMNC ZMクロ

ニッケル(Ni)メツキ.........................................クローム(Cr)メッキ
Ni Cr

銅(Cu)メッキ.......................................................スズ(Sn)メッキ
Cu スズ

亜鉛・ニッケル合金メッキ
ジンロイ
 
 <その他のメッキ>
ジオメット(金属フレークが層状に重)..............アルマイト(陽極酸化処理:素材アルミニュウム)
ジオメット アルマイト

パシベイト(不動態化処理:素材ステンレス)
パシベイト

ねじの品質管理⑪(硬さ試験③)

ねじの品質管理⑪

  硬さ試験③     硬さに対する近似的換算

各種硬さ試験による数値は他の硬さ試験、引張強さへ近似的に換算する事が出来
ます。
例えば試料の大きさが小さくてロックウェル硬さが測定不能な場合、ビッカース硬さ
を測定してロックウェル硬さに近似的に換算出来ます。
ビッカース硬さの測定値が 294Hvならば 下記の換算表から ロックウェル硬さは
HRC29に換算する事が出来ます。
また 換算表から引張強さが近似的に930N/mm2 である事が解ります。


換算表530

では、引張強さが 1000N/mm2 の場合、ロックウェル(Cスケール)硬さ HRC はいくつでしょうか?



ねじの品質管理⑩(硬さ試験②)

ねじの品質管理⑩

  硬さ試験②      ロックウェル硬さ試験(HR) 

ねじの硬さを計る方法として、多く使用される試験方法として
ロックウェル(Rocwell)硬さ試験が有ります。


ロックウェル硬さ試験機
R試験機

測定方法は
R試験方法
硬さにより スケールC, B, A を使用し、
スケールCで測定した硬さを "HRC"、スケールBを "HRB"、で表します。
  
              
                    測定圧子
                    R圧子

                    圧子による凹
                    凹

硬さ試験には ビッカース硬さ、ロックウェル硬さ、ブリネル硬さ、ショア硬さ試験などが有ります。
それぞれに特徴があり、測定する試料の大きさ、厚さ、材質、焼入れ、硬さなどにより使い分けます。
ねじでは一般的に、タッピンねじ、浸炭焼入れではビッカース硬さ試験を、調質(ズブ)焼入れの
小ねじ・ボルトではロックウェル硬さ試験を使用します。


              参考 ロックウェル硬さ測定原理
            R原理図

ねじの品質管理⑨(硬さ試験①)

ねじの品質管理⑨ 

  硬さ試験①  マイクロビッカース硬さ試験(HV)

浸炭焼入れなどでねじの表面を硬くした場合の表面硬さや、ねじ芯部の硬さを測定する時に
マイクロビッカース硬さ試験機を使用します。

特に、タッピンねじでは、ねじ自身で相手材(鉄などの金属)を塑性変形させ、メネジを成形さ
せるので相手材に負けないだけの硬さが必要になります。

マイクロビッカース硬さ試験機 
ビッカース試験機

測定方法は 対角面136゜の正六角錐ダイヤモンドで作られた圧子を測定面に荷重を掛けて圧痕
をつけます。


ダイヤモンド圧子
圧子

測定面に圧子で荷重を掛け圧痕を付ける 
負荷

作られた圧痕
圧痕

当然のことながら、作られた圧痕は材料が柔らかい程大きく、硬いもの程小さくなります。圧痕の対角方向のA寸法を測定し計算式によりビッカース硬さ HV が測定されます。

V解説

ビッカース硬さ試験は材料の大小に拘らず、全ての金属に使用することが出来、硬さ試験の中で
最も一般的な使用度が高い。

ねじの品質管理⑧(引張試験)

ねじの品質管理⑧   

  Ⅷ 引張試験(強度試験) 

ねじの強度について 10ヶ月ほど前に掲載しました
ねじの強さ(強度区分)http://nejisyokunin.blog85.fc2.com/entry24
ねじの力 http://nejisyokunin.blog85.fc2.com/entry25
ねじの強度http://nejisyokunin.blog85.fc2.com/entry26
で説明しましたので、再度、上の項目をクリックして思い出して下さい。

ねじの強度を測定するのには、写真の引張試験機を使用いたします。

引張試験

引張試験機にねじを写真の様にセットし取付部に取り付け、ねじが破断するまで
荷重を掛けて破断した時の値を表示板から読み取ります。


引張じぐ

では 8マークの付いたM6の小ネジを引張試験機で測定します。
8マークM6
引張試験機に取り付け荷重を掛け破断した時の表示板の数値は
  17,480N(ニュートン)....Kg単位へ換算すると 1,782kgになります。
  17,500N
  17,450N

となりました。
この数値が合格しているか検証すると、
・8マークの付いた製品の最小引張強さは 800N/mm2以上
・M6小ネジの有効断面積は 20.1mm2     から
最小引張破断荷重は 800N/mm2 X 20.1mm2 = 16,080N  となりますが、
JIS規格では 16,100N と規定されています。
よって 最小引張荷重 16,100N < 17,480Nとなり 合格 です。

ねじの品質管理⑦(ねじ精度)

ねじの品質管理⑦

    Ⅶ ねじ精度の検査  

ねじ精度の検査はオネジのピッチ、山角、リード角等を考慮した有効径の総合寸法(総合
有効径)を上限、下限で検査することです。
( 簡単に言えば、このオネジを使って適正なメネジ、ナットに楽にねじ込まれるか,正しい
山形になっているかを検査することです)
この検査には、一般的に”通り側ねじリングゲージ”、”止り側ねじリングゲージ”が使用さ
れます。
gage

 )通り側ねじリングゲージ (記号GR)
   このゲージは総合有効径の上限を検査します。
 

      通り リングゲージ

   このゲージにオネジを過大な力を加えることなく手でねじ込んだとき、オネジの全長を
   通り抜けなければならない。


  )止り側リングゲージ(記号NR又はIR)
    このゲージは総合有効径の下限を検査します。


      止り リングゲージ

   このゲージにオネジを過大な力を加えることなく手でねじ込んだとき、端に入っても良いが、
   ネジの2回転を超えて入ってはならない。

ねじの品質管理⑥(△ねじ外径)

  ねじの品質管理⑥  

 Ⅵ 三角 (おむすび) 形状のねじ外径測定 

ねじの断面形が三角(おむすび)形状をした製品が有ります。
三角形状
このねじはタッピンねじ(2011.3.17 ねじの機能で説明)に使用され、おむすび形状
にすることにより、ねじ込み時の接触面積を減少させ、ねじ込みトルクを軽減する
ことを目的に開発されました。 
上図のようなおむすび形状をしており、D, C寸法を測定します。
(C-D=Kで Kの値が大きくなる程、三角形に近くなり、ねじ込みは軽減されます)

この製品の詳細については http://www.kk-yamashina.co.jp/htm/product/
をご覧下さい。

) C寸法の測定
    C寸法の測定には三溝マイクロメーターを使用します。

         三溝外径

  測定の仕方は下図のように製品を挟みマイクロメーターの数値を
  読みます

         TT

 ) D寸法の測定 
    D寸法の測定には通常のマイクロメーターを使用します。

         三角外径


          三角D

ねじの品質管理⑤(ねじ外径)

ねじの品質管理⑤  

  Ⅴ ねじ外径(d)の測定  

小ねじ、ボルトの一般的に使用されるメートルねじでは下表の寸法が設定
されています。

ねじ外径規格
注)ピッチにより"並目”と"細目"がありますが、一般的に使用されるのは
   "並目"です。


今回測定しています製品は M6X25 です。
M6で亜鉛めっき(電気めっき)を施していますから、表のピンクの部分に
該当します。  6.0~5.794

ねじ外径を測定する器具は一般的に "マイクロメーター"を使用します。
ネジ外径

マイクロメーターの数値は 5.83 を示しています。
  合格です

ねじの品質管理④(ねじ長さ)

ねじの品質管理④  

  Ⅳ 呼び長さ(ねじ長さ) Lの寸法測定 

ねじの全長(L)に対して下表の許容差が設けられいます。

   許容差

今回測定しています製品は 呼び径(d) M6 呼び長さ(L)25 です   M6X25 

この呼び長さを測定する器具は一般的に ”ノギス " を使用します。

           ノギス

         ノギス測定

M6X25 より 表のピンク色部の 0 ~ -1.0 に該当し 24.0 ~ 25.0の範囲であれば合格と
なります。
ノギスの数値は 24.55を示しています。
     合格です。

ねじの品質管理③(リセスの検査)

ねじの品質管理③

  Ⅲ.その他のリセス検査                     リセス:RECESS:窪んだ所 

  トルクス ( TORXクスローブ )の検査        
          

                 トルクス穴

   穴の深さ測定 
    十字穴の深さ測定と同様、測定器の先端にトルクス形状の大きさ毎のポイントを付けて
    その深さを測ります

 
           トルクスIゲージ

    穴のハメアイ検査                               ハメアイ:勘合
     各トルクス穴の大きさに合ったプラグゲージ(栓ゲージ)により穴に通るか、止まるかを
     検査します。


           赤側:止りゲージ 緑側:通りゲージ 信号と同じです   
        トルクスゲージ


     六角穴の検査

            六角穴

       トルクスと同様、六角穴の大きさに合ったポイント、栓ゲージにて測定します

            六角:ゲージ

 トルクス,TORXはAcument Intellectual Properties,LLCの登録商標

ねじの品質管理②(十字穴検査)

ねじの品質管理②   

  Ⅱ. 十字穴部の検査  JISB1012、JISB1111

十字穴付ねじの品質は、締結の作業性から次ぎのことが上げられます。 

1. 十字穴とドライバー(ビット)の食い付きが良好なこと   
     作業時、ネジがドライバーに確実に食い付くことにより楽な締結作業が出来、
     ドライバーの寿命も向上します。(ドライバーの先端を磁化して使用される
     こともありますが、ステンレスでは出来ません)
     時には、食い付きが良過ぎてネジとドライバーが離れず、ドライバーに
     締付け製品ごと持ち上げる逆効果が生じる場合が有りますので要注意です。
     
2. 十字穴とドライバー(ビット)との勘合が良いこと  
     十字穴とドライバーにガタツキがないこと
     ガタツキなどが有れば締め付け時にカムアウト(ドライバーが浮き上がる現象)
     が生じ、締め付け作業に支障が生じ、ドライバー寿命が急激に減少します。
     勿論、ドライバーが磨耗していれば、同様の現象が生じます。 
 

以上の内容を総じて、締め付け作業性から 
  十字穴の食い付きが良好で、勘合が良好なこと、更に出来るだけ十字穴の深さ(Q)が
  深いことです (十字穴深さには限度があり、余りにも深ければ首元での強度が減少し
  破断が生じるので重要な注意点です)。
   ※備考 十字穴とネジの芯がズレていれば当然作業性は悪くなります。


 十字穴の大きさは通常多く使用されているものでは、3種類有ります。

                      十字2


    (昨年5月に"十字穴の種類"で紹介いたしました)

ドライバー

のように、大きさの順の番号が付けられています。
今回使用しているねじは 呼び径が M6 ですから、規格表の番号3の十字穴が
該当します。
 

測定方法  

十字穴深さ(Q)  
測定器のダイヤルゲージ先端に十字穴No3のゲージを取り付けて、
                  (A部の詳細写真)
Qポイント


そのゲージでの十字穴沈み深さをダイヤルゲージにて読み取ります。
Qゲージ


十字穴とゲージとの食い付き 

十字穴は十字穴とドライバーが食い付くことが特徴として上げられます。
十字穴とドライバーの食い付きの検査方法は、写真のゲージを使用します。

食付きゲージ

十字穴番号に適合するゲージをネジの十字穴に押し込み、水平の位置から垂直の位置に
回転させ、ネジが自重によって脱落しないかを調べる。
(ねじ長さLがねじの呼び径の7倍以上のものには適用しない)


クイツキ

食い付き

十字穴とゲージとの勘合  

適合するゲージを十字穴に押し込み、十字穴とゲージの間でガタが無いか調べる。 
   (この規格はJISには無く、当社の社内検査規格です)

ねじの品質管理①(頭部寸法)

ねじの品質管理①

 Ⅰ. 頭部寸法測定 

ねじ頭部の寸法測定について説明致します。
一つの例として 
  十字穴付のナベ頭の場合 写真のような製品が有ります

十字2

 十字穴付 ナベ頭 M6XL (M6 は呼び径を、L は,ねじ部長さを表わします)

ナベ小ネジ

製品図は
図0
で表わされます

製品の規格は (JIS規格 JISB1111 付属書)
規格1
この場合の製品は 呼び径が M6 ですから表の下から2段目が該当します。

測定方法
 
頭径(D) 

マイクロ
測定器はマイクロメーターを使用し、測定する頭部をアンビル(測定先端)に挿み目盛を読み取ります。
この製品の測定値は計測器の目盛から 9.98 が読み取れます, 規格を満足しており合格です


頭の高さ(H)

Hゲージ1

A部の拡大が下の写真です
水平なブロックゲージの上にねじの頭部を載せ、頭部に測定器のダイヤルゲージの端子を当て
ブロックゲージからの高さを測定します。


           H測定部

薄板用座金組込みねじ②

薄板用 座金組込みねじ② 

   更に  「板厚が0でも締付が可能」

     薄板0

上の図のように被締結物(to)が無くてもねじ浮き(締まらない)がなく、座面が密着します。すなわち, "被締結物の板厚 to=0 でも締付けが可能"

なぜ、薄板用ウイズではこのような事が出来るのでしょうか
その中身をお見せしましょう

薄板002薄板01



左側の図がその概略図で、右側は実際に製作した製品の断面写真です。
見てお解りの通り、ねじの座面下に軸部を細くした部分(ねじの谷径の太さ)が見られます、この部分が干渉することなくメネジを通すことが出来るように考案されました。

ところで、細くすることによりねじの強度が低下するように思われますが、実際に強度試験を行いますと逆に向上しています。(このことは、細くするのに転造加工による塑性加工を行うことにより、加工硬化が生じるこによるものです)

"座金組込みねじ"についていろいろと紹介してきましたが、ご理解できましたでしょうか
まだ、いろんな用途、仕組みの座金組込みねじが有りますので、お気軽に工業用ファスナー ヤマシナのホームページより お問い合わせ、ご相談をお待ちしております。

薄板用座金組込みねじ①

薄板用 座金組込みねじ①
座金組込みねじでスプリングワッシャーを使用している場合、バネ圧縮に相当する長さ,ねじの不完全部長さにより被締結物の厚さが薄ければ締まらない場合が発生します。
標準の座金組み込みねじ
通常ウイズ 標準写真.200JPG
標準の座金組込みねじ締付け状態
              通常ウイズ締付

被締結物の板厚(to)が薄い場合
              締まらない

座金部分の遊び長さ(V)はSW,PW使用の3ピースの場合、V=(SWの厚みX2+PWの厚み+不完全ねじ1ピッチ(P)以下)で製作されます。
被締結物 板厚to が
  板厚to  < 【SWの厚み(バネの圧縮量) + ねじ1P以下(P:不完全ねじ部)】   
                              
SW :スプリングワッシャー.........PW :平ワッシャー
の時、ねじが締め付けられない(ねじ浮き)ことが発生する可能性が高くなります。 

その改善策として薄板用座金組込みねじが開発されました。

薄板座金組込みねじ
薄板用座金組込みねじは ねじ転造時にバネ座金に圧縮荷重を掛けた儘 ねじ山を成形させる方法にて製作し、かつ不完全ねじ部を極力小さくし,座金部の遊び寸法(U)を極力小さくしています。
薄板ウイズ 薄板実物.JPG200


薄板座金組込みねじの締付け状態
                  薄板ウイズ締付

被締結物の可能板厚(t1)は締結の使用条件(メネジの面取り状況),製品条件などにより異なります、都度その条件を承り、使用条件にあった金型、管理を行い製作しています。
お問い合わせは当社のホームページよりお願い致します。
  http://www.kk-yamashina.co.jp

座金の種類③

樹脂製のワッシャー
相手材へのキズ防止、装飾、耐食性などを目的に樹脂製ワッシャーを組み込んだねじについてご紹介致します。
(商品名 ポリス)


樹脂製ワッシャー組み込みねじ各種

ポリス各種

この座金組み込みねじは表面処理まで完成されたねじを樹脂製ワッシャーへ圧力、ねじ込み回転を与えて挿入する方法で製作します。(ワッシャー内径はねじ外径より若干小さめに設計されおり、ねじ挿入により樹脂が変形し、ねじ山部に噛み込むことを利用して製作しています)  
                 ポリス

樹脂製ワッシャー各種

樹脂W

ワッシャーの材質は"6ナイロン","66ナイロン","ポリカボネート"などが使われます。
ワッシャーの特性については (株)ヤマシナのホームページを参照して下さい。

 http://www.kk-yamashina.co.jp/htm/product/poris.htm

座金の種類②

座金の使用用途 
多量に使われている使用例について紹介します

端子用ねじに使用座金

端子ねじ

電気機器の配電盤など電線端子の取付け・接続に使用されている

   端子1

                     端子2




座金の種類①

座金の種類について 
標準的な座金の種類について見てみます。
 1. ばね座金

SW-2

SW2図

2. 波形ばね座金

SLW2

SLW図

3. 皿ばね座金

皿バネ2

皿バネ図jpg

4. 歯付き座金
  内歯形(A)
内歯2

  外歯形(B)
外歯2

外歯図
  皿形
皿歯2

外歯皿図jpg
以上が一般的に使用されるばね座金、歯付き座金です。









座金組込みねじ②

座金組込みねじ② 

標準的な座金組込みねじ 

標準
 
特殊な座金組込みねじ 

各種

座金組込みねじ①

座金組込みねじ①
今日は座金が組み込んであるねじについて説明を致します。
この"座金組込みねじ"が無ければ、締付けるときに"ねじ"と同時に"座金"を1枚を手に取り、"座金"を"ねじ"に挿入させて使用する必要がありました。
締付における労力が大変であり、部品の調達も"ねじ"と"座金"の2種類が必要でしたが、"座金組込みねじ"の調達だけで済み、組付けの機械化(自動化)が進みました。     (株)ヤマシナ 商品名 : ウイズ


座金組込みねじはどのように造られるのか?
WIS.jpg

座金組込み専用の転造盤により、下図の例のように、ねじ下(ブランク)に座金(SW:スプリングワッシャー)が挿入されます、このとき 座金の内径とブランクの外径の差を出来るだけ小さく設計しておきます。
ウイス゜1
座金が挿入されたブランクに塑性変形によるねじ転造加工を施すことにより、ねじ外径が座金の内径より大きくなり座金がねじより抜け出ることが出来なくなります。
WIS2

ねじにSW(スプリングワッシャー),PW(平ワッシャー)を組み込む場合も
           WIS5

PWも内径をブランク径との差をギリギリに設計しておきます。

ねじの強度

ねじ一本の力
ねじの頭部に「4.8」「10.9」など数字が付けられていることは"ねじの強さ(強度区分)"のところで述べましたが、
その強度規格は下表の通りです。
  
     強度区分
ここで、最小引張強さ降伏点・耐力で使用されている数値(N/mm2)はどのようなことでしょうか
圧力A
図に示すように1mm2(単位面積)にかかる力を表しています
応力1
すなわち、作用した力(F)を作用全面積(S)で割れば引張強さ(σ)が得られます。
では、一本のねじが支えることが出来る力は"最小引張強さ""ねじの面積(有効断面積)"を掛ければ得ることが出来ます。
ねじの有効断面積はメートル並目ねじの場合、下表の通りです。応力面積
それでは 呼び径 M3 (径が3mm)の小ネジで 強度区分 4.6 の場合 どれ位の力(荷重)を掛けても破断しないでしょうか
       強度区分 4.6 の 最小引張強さ(σ)は 400N/mm2
       呼び径  M3  の 有効断面積は(S)は 5.03mm2  
から 400X5.03=2,012N の力を掛けても破断しません。
ですから(1Kgf=9.8Nから) 205Kgfの荷重に耐えることになります。
体重が 60Kgfの人が静かに揺らさずに3人ぶら下がっても大丈夫ですが、70Kgfの人が3人ぶら下がればヤバイかも !!

(最小引張強さなので 2,012N以上)
一度計算してみて下さい
      1.  強度区分 8.9  呼び径 M6 の場合
      2.  強度区分 10.9 呼び径 M8 の場合

 強度区分で 鉄で焼入の無い場合は 一般的に「4.6」「4.8」
       鉄で焼入を行った場合は 一般的に 「8.8」「10.9」などが使用されます。

ねじの力

ねじの力 
まず、力の単位について考えてましょう。
バットを振ったり、ボールを投げたり、物が落ちたりすると、バット、ボール、物には力が働きます。
この力の単位は、一般的に使用されているのは体重測定などで使用される"Kg"がありますが、国際単位系(SI単位)では力を現す単位として"N:ニュートン"が使用されています。
では"Kg"と"N:ニュートン"の関係は

質量 ・・・ 物体そのものの量の事、月へ行っても変わらない。
重さ ・・・ その物体にかかる重量の大きさ、月では地球の1/6となる
「私の体重は50Kgです」は
力の単位で表せば、「私の体重は地上の重力(1G)のもとでは490N,月では1/6の81Nです」

力(重さ)= 質量 X 加速度(重力:1G=9.8m/s2)
1Kgf = 1Kg X 1G = 1Kg X 9.8m/s2 = 9.8(Kg・m/s2) = 9.8N
一般的に体重計で測った時に使用される"Kg"は地球上では重力(引力)がかかっているから
正式には"Kgf"と表現され、その"f"の部分が重力(加速度)がかかっている事を表わします。

1Kgf = 9.8N    に換算されます。
1Kgf ≒ 10N
詳しく知りたい方は書籍、net等を見て下さい

ねじの強さ(強度区分)

ねじの強さ(強度区分)
一般的なねじでは、転造工程の後でねじの強度を高くする為に熱処理工程が設けられます。
そこで今回からねじの強度について紹介いたします。


自動車、バス、電車などの輸送機、切削機、プレス機など身近なところでねじの頭部に

頭部10.9頭部8
頭部7頭部4.6


数字のマークが付いたねじを見られたことがあるでしょう。
「10.9」とはどんな意味でしょうか
小数点の左の数字と右の数字がそれぞれ小ネジ、ボルトの強度を表わしています。
左の10が100キロの荷重まで破断しないことを表わし、「最小引張強さ」を示しています。
右のが100キロの90%で90キロまで荷重をかけて伸びたねじが、荷重をとれば元に戻る限界(降伏)を表わし、「耐力」、「降伏強さ」を示します。

その他に「12.9」「8.8」「6.8」「4.8」「4.6」などその他有ります。
考え方は同じで「8.8」の場合
    最小引張強さ=80キロ  耐力=80X80%=64キロを示します。
単に「」、「」マークは最小引張強さだけを示します。

  厳密には 使用した単位 キロ=Kg/mm2で 100キロ(Kg/mm2)≒1000N/mm2、80キロ(Kg/mm2)≒800N/mm2のことです。   現在はN/mm2のSI単位が使用されています。

ねじ山成形金型②

ねじ山成形金型②  
更に、ねじ山成形に使用される金型について紹介致します。

 1)先端を尖らせる、ねじの長物、ねじ山の2条
A型

 2)先端テーパー、ピッチが細かい
CIMG7191_20101013130645.jpg

 3)頭部に縦溝(ローレットつまみねじ)ピッチが細かい
CIMG7571.jpg

 4)頭部に縦溝(ローレットつまみねじ)ピッチが粗い
CIMG7576.jpg

 5)一般的に使用される 小ねじ M4X0.7
小ねじM4X0.7

 6)特殊ねじ山 (鋸歯形状)
CIMG7574.jpg

 7)軸部に溝入れ
CIMG7573.jpg

以上、代表的なねじ山成形金型(平ダイス)を紹介いたしました。
お解りいただけましたでしょうか、まだまだ有りますが、今回はこれぐらいにしまた機会があれば紹介したいと思います。




ねじ山成形金型①

ねじ山成形金型①(ダイプレート)
ねじ山を成形に使用する機械(転造盤)で使用する金型について紹介致します。
通常、平ダイス式転造盤で使用される金型を"ダイプレート"と呼びます。
前々回の「ねじ転造工程」で紹介しましたように、平ダイス式転造は固定側と移動側の2枚の
ダイプレートにより、ブランク(ねじ下)を必要な圧力で押し付けながら転がることによってブランクを
変形させて表面にねじ山を成形させます。
下図にダイプレートの例を示します。
HLDie

このダイプレートによる加工されるねじ山は

HLねじ

ではブランクが転がりながらどの様に成形されているのか

sts.jpg

STS2.jpg

一回転毎に序々に成形されて行く様子が見えます。


転造盤

転造盤
ねじ山を成形するに必要な機械 ”転造盤” について紹介致します。

転造盤

[この機械はねじ転造の大量生産方式で最も多く使われている平ダイス式の転造盤です。]
ねじのブランク(ねじ下)はパーツフィーダー部で整列されシュートレールへ首吊り状態(ねじの頭がシュートレール上に並んだ状態)で供給され、下図の拡大部(加工部)へ挿入されます。


拡大部分

  転造盤拡大


シュートレール上を流れて来たねじブランクは突き出し板により、1本づつブランクガイドを通りダイプレート(ダイス:金型)へ挿入され、固定側ダイスと移動側ダイスの間を転がりながら移動しねじ山が成形されます。
移動側ダイスが上下(又は左右)に1往復する毎に1本のねじブランクにねじ山が成形され,ねじの形として完成します。

概略として φ2mm~φ4mm の製品では 1分間に 150本~400本
        φ5mm~φ8mm の製品では   1分間に 80本~200本
       φ10mm~φ24mm の製品では 1分間に 30本~150本  程度の加工が可能です (太さ、形状、長さにより変わります)

Appendix

プロフィール

ねじ職人

Author:ねじ職人
㈱ヤマシナ(旧 山科精工所)に入社して、はやウン十年。日本の発展のためにお役に立てればと、高性能、高品質のねじ作りに日々努力して参りました。
私たちが作ってきた愛すべき精密部品「ねじ」の奥の深さをご紹介します。

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